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第21話

宮崎瑛介が去った後、霧島弥生はしばらくぼんやりと座っていたが、やがて再び仕事に取り掛かった。

これらのことは彼女自身の選択であり、一人で我慢しなければならないものだった。

携帯が鳴った、江口堅からの電話だった。

彼女は気持ちを落ち着けてから、電話を取った。

「どうかした?」

「弥生、秘書から電話があったか?」

霧島弥生はようやく探していたメールを見つけ、メールを開きながら、軽く頷いた。「あったけど、どうしたの?」

「仕事は俺に任せてくれ。代わりにしておくから」

その言葉に、霧島弥生は動きを止め、疑問に思った。「え?」

「理優ちゃんから君が病気だと聞いたんだ。なんで俺に教えてくれなかった?」江口堅の声は極めて優しく、ため息交じりに続けた。「病気になったらちゃんと休んで、携帯をおやすみモードにしておくべきだ。体がそんなに強いと思ってるのか?」

江口堅は、霧島家が破産する前に霧島グループで働いていた。彼はグループの中で最も優れた助手だった。

彼には明るい未来が約束されていたが、霧島家の破産は予期せぬものであった。

霧島家が破産した後、彼の才能からして、彼は他の高い地位を見つけるだろうと霧島弥生は思っていたが、意外にも霧島弥生と共に宮崎グループに入社した。

霧島弥生はそのことを知って驚き、彼に理由を尋ねた。

江口堅は微笑んで言った。「君はまさか、俺が君のために入ったと思ってるのか?宮崎グループは南市だけでなく、全国でも最大手の一つなんだ。これ以上のポテンシャルを持つ会社はないよ」

そう言われると、霧島弥生は反論することができなかった。

反論できなかったと同時に、彼女はもはや自分を卑下することができなかった。霧島家が破産する前、父親が江口堅との縁談を考えていたこともあった。

その時、江口堅はどう答えたか?

彼は彼女を優しく見つめ、微笑んで言った。「弥生はまだ若いですから。将来のことはその時に考えましょう」

その後も、彼は彼女に対してとても親切で、まるで兄のように世話をしてくれた。そして彼女を見る目も次第に変わっていった。

彼の思いに、霧島弥生ははっきりと気づいていた。

しかし残念ながら、彼女の心にはすでに別の人がいた。

この世は、互いに想い愛し合えることはそう多くない。

そう考えた霧島弥生は、再び現実に戻り、江口堅の好意を冷静に断
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